自動車保険の記事一覧

対物賠償が無制限でも足りない場面と対物超過の特約
対物賠償を無制限にしているから、相手の車は全部直せる。そう思われがちですが、実際には支払われる額に上限が生まれる場面があります。その差を埋めるのが対物超過修理費用特約です。仕組みと、付けるかどうかの考え方を整理します。 相手の車の時価額が上限になる 事故で相手の車を壊した場合、賠償の対象になるのは その車の時価額まで です。時価額とは、同じ年式と状態の車を買い直すのにかかる金額で、年数が経つほど下がります。修理費が時価額を上回ると、上回った分は賠償の対象から外れます。無制限というのは支払いの限度額のことで、時価額の考え方を超えるものではありません。 古い車ほど差が出る たとえば時価額が30万…

自動車保険の等級を家族に引き継げる条件
親が長年かけて上げた等級を、子どもの保険に使えないか。自動車保険の等級は、条件を満たす家族の間であれば引き継げます。ただし範囲と手続きの順番が決まっているので、そこを外すと使えません。整理します。 引き継げるのは決まった範囲の家族 等級を渡せるのは、記名被保険者の配偶者と、記名被保険者またはその配偶者と 同居している親族 です。ここでの親族は、6親等以内の血族と3親等以内の姻族を指します。同居している親子や兄弟なら該当します。同居していない子どもへは、扶養しているかどうかに関係なく引き継げません。仕送りをしていても、住まいが別なら対象外です。 配偶者だけは別居でもよい 配偶者は例外で、同居し…

中断証明書とは?等級を残して車を手放す時の手続き
車を手放す、しばらく乗らないという時、そのまま保険を解約すると積み上げた等級が失われます。中断証明書を取っておけば、次に車を持つ時に等級を引き継げます。手続きには期限があり、解約してから気づくと間に合わないこともあるため、車を手放すと決めた段階で確認しておきたい制度です。 何ができる制度か 任意保険の等級は、無事故を重ねるほど上がり、保険料が安くなります。中断証明書は、この等級を一定期間そのまま保存しておくための書類です。再び車を持った時に、中断前の等級から契約を再開できます。等級が上がるには年数がかかるため、一度失うと取り戻すのに相応の時間がかかります。取得しなければ、次回は新規契約と同じ…

車両保険を使う前に確認したい等級ダウンの仕組み
車両保険で修理費をまかなえるとわかっていても、保険を使うと等級が下がり、翌年以降の保険料が上がることがあります。修理費用と保険料の増加分、どちらが得かを比べるために、使う前に確認しておきたい仕組みを整理します。 等級ダウンの仕組み 任意保険には契約者ごとに等級区分があり、 事故で保険を使うと、その等級が下がって翌年以降の割引率が下がります。 逆に1年間無事故で過ごすと等級が上がり、割引率も良くなっていきます。何等級から始まり、いつ更新されるかは契約内容によって異なります。 事故の種類による下がり方の違い 事故は大きく3つに分類されます。 相手のいる事故など多くの物損・人身事故は「3等級ダウン…

保険会社を乗り換える時に確認しておきたいこと
更新の案内が届くたびに、他社の見積もりを取ろうか迷う方は多いと思います。保険料だけを比べて乗り換えると、必要な補償が抜けていたり、手続きの時期を誤って等級を落としたりすることがあります。比べる時に見るべき項目を整理しておきましょう。 等級は引き継がれる 他社へ乗り換えても、これまで積み上げた等級はそのまま引き継がれます。乗り換えると新規扱いに戻る、というのは誤解です。ただし前の契約の満期日と新しい契約の開始日が空白なく繋がっていることが条件で、ここが崩れると等級が守られないことがあります。1日の空白でも無保険の状態が生じるため、その間の事故は補償されません。 切り替えのタイミング 満期日の当…

人身傷害保険と搭乗者傷害保険は何が違うのか
任意保険の証券を見ると、人身傷害と搭乗者傷害という似た名前の補償が並んでいます。どちらも自分や同乗者の怪我に備えるものですが、支払われ方が大きく違います。違いを知らないまま片方を外すと、必要な場面で足りなくなることがあります。契約を見直す前に押さえておきましょう。 支払われ方が違う 人身傷害は、実際にかかった治療費や休業損害を計算して、その金額が支払われます。一方の搭乗者傷害は、怪我の部位や入通院の日数に応じて、あらかじめ決められた金額が支払われます。前者は実費に応じた補償、後者は定額の見舞金に近い性格です。名前が似ているせいで同じものだと思われがちですが、役割は別々です。 人身傷害の特徴…

弁護士費用特約はどんな時に使えるのか
任意保険の特約の中で、加入していても使わないまま更新を続けている方が多いのが弁護士費用特約です。月々の負担は小さい一方、いざという場面では自己負担なく専門家に交渉を任せられます。どんな時に効くのかを知らないと、使えるはずの場面で気づかず、自分で相手と交渉して疲弊することになります。 どんな時に使えるか 相手が任意保険に入っておらず、保険会社が出てこない 自分に過失がない事故で、自分の保険会社が交渉できない 相手が提示する過失割合に納得できない 当て逃げや自転車との事故で、相手方との話が進まない 提示された賠償額が実際の損害に見合わない 過失ゼロの事故で特に効く 停車中に追突された、信号待ちで…

自損事故を起こした時の対応と車両保険の使い方
駐車場の壁に擦った、縁石に乗り上げた、ガードレールに接触した。相手のいない自損事故は、警察に連絡すべきか迷いやすい場面です。「誰にも迷惑をかけていないから」と、そのまま帰ってしまう方もいます。ですが手続きを飛ばすと、後から保険を使いたくなった時に使えなくなることがあります。相手がいなくても、やるべきことは決まっています。 相手がいなくても警察に連絡する 物を壊していれば物損事故として扱われ、報告する義務があります。自分の車だけが傷ついたように見えても、ガードレールや縁石、駐車場の設備を壊していれば同じです。届け出ると交通事故証明書が発行され、これが車両保険を使う際の前提になります。連絡せずに…

レンタカーや代車で事故を起こした時の対応と補償の確認
レンタカーや修理中の代車を運転している時に事故を起こすと、自分の車の時とは補償の出どころが変わります。誰の保険が使えるのか、どこに連絡するのかを知らないまま当日を迎えると、判断に迷って対応が遅れます。借りる前に確認しておきたい点と、起きてしまった時の手順を整理しておきましょう。 事故直後にやること 負傷者の確認と救護、危険であれば車両を安全な場所へ移す 警察へ連絡する(物損でも必ず届け出る) 相手の連絡先と車の情報を確認する 貸主(レンタカー会社・整備工場)へ連絡する 現場の写真と、双方の車の損傷の写真を残す 貸主への連絡を忘れない 自分の車の事故と最も違うのがこの点です。車両の所有者は貸主…

当て逃げされた時にまず確認したいことと保険の使い方
駐車場に戻ったら車に傷やへこみがあり、相手が分からないという状況は珍しくありません。腹立たしい場面ですが、その場での動き方によって補償を受けられるかどうかが変わります。相手が特定できなくても使える補償はありますし、逆に手続きを飛ばすと使えなくなることもあります。落ち着いて順番に進めましょう。 まず警察へ届け出る 相手が分からなくても、必ず警察に連絡してください。物損事故として受理されると交通事故証明書が発行され、これが保険を使う際の前提になります。「相手がいないから意味がない」と考えて届け出を省くと、後から保険会社に説明できなくなります。移動させる前に、その場から連絡するのが基本です。駐車場…